玄関の寸法に合わせた靴箱の注文をいただきました。
注文主さんはカントリースタイル大好き少女で(二児の母ですけど)、ほっくりとした手作り感がお求めでした。
さて、ちょうどそのころ僕は、あるバイオリン作りの職人さの、こんな言葉を耳にしました。
「バイオリンには、作った人の性格や気持ちが、そのまま音色にあらわれるんですよ。
明るくて陽気な人と、きちょうめんな性格の人とはでは、音色が明らかにちがいます。
作る時に根をつめすぎて のめり込んでしまうと、張りつめた音が出る楽器ができあがります。」
・・・「う~む」と感心するような話ではないですか。
なるほど、僕もついつい 根を詰めすぎてしまうこともあるけど、それでは ホックリした、柔らかいカントリーの家具には、ならないかもなあ…。
そこで僕は、オーバーオールとバンダナの似合う、のんきで善良な山男になりきって製作に向かいました。
作業場には「山男」と張り紙をして、「のんきのんき、陽気陽気」と繰り返し唱えながら制作しました。
ホントのはなし。