生まれかわった ソファーいす

いすねこ

ある日、犬の散歩中に、ゴミ置き場に 捨てられているいすを見つけました。分解されて、ていねいに縛られていました。

座のクッションの部分は、ぐずぐずにすり切れていましたが、いす本体の木部品に破損がないので、もらって帰ることにしました。

実はちょうどそのころ僕は、、デンマークのいすの図鑑を見て、素晴らしい作品に感心していました。そして、すわりごこちのいいいすが、自分用に一脚あるのもいいなと思っていたのです。

ただ僕は、「作る人間」なので、買って手に入れることよりは、自分で作ってみる方に興味が向かいます。

でもゼロからいすを作るのは、それ専用の設備がいることなので、こうして、部品が、手に入ったのは、幸運というものです。

ひまを見て、部品のひとつひとつを、 剥離剤(はくりざい)で塗料を落とし、ごしごしサンドペーパーをかけて、木肌の生きるオイル仕上げにしました。

背もたれの位置や角度も、クッションの硬さも、肘置きの高さと微妙な傾斜も こころゆくまで試して、あくまで自分専用に作りなおしました。

全体のデザイン面でも微妙なカーブを入れたりして、いくぶん軽いたたずまいに仕上げました。(だから元々のいすの姿はこの写真とは全く異なります。)

 

以来、僕の愛用のソファー椅子です。とても座り心地がよい。

ただ、その座り心地がよいせいで、しばしば猫に居座られて困ります。どかせると、ものすごくいやそうな顔をするので、もうひとつの、ギターを引くとき用の椅子を引っ張り出して、ぼくはそれに座ります。

(こういう問題って、どこに訴えればいいのだろう?動物愛護協会?人類愛護協会?)

 

今は、運よくこのソファー椅子に座って、このHPを書きこんでいます。