とある高等学校に注文いただいた トロフイーや盾をならべるショーケースです。
「今まではスチールの事務用の棚で流用していたが,そろそろ もう少しいいものを・・・」とのことでした。
素材については、ヒノキで作ってほしいといわれました。
腰までの高さの棚なので一番目につくのは天板です。
無垢材をはぎ合わせて作るので、いかに木目のきれいないい木材を選ぶかが、勝負でした。
木材市場の人がいやな顔をするくらい、積み荷の底の底までひっくり返して材料を選んだのをおぼえています。
幅1メートル80センチのケースを3つならべて、5メートル40センチ。
ところどころ赤みを帯びたヒノキの木目が 伸びやかに流れる 美しい天板の、堂々たるショーケースになりました。春先のことでした。
さて時は流れてその年の秋に、その後のようすを見に 立ち寄ってみると、夏の間に しっかり窓からの陽光を浴びて、飴色に変わっていました。
今は黄みがかった飴色ですが やがて赤みが増すでしょう。
そしていまの在校生がOBや父兄として再訪するころには、押しも押されぬ「漆黒の飴色」になっているんだろうな なんて想像すると、うれしいですね。