木材の腐食についていろいろな経験をしたうえで、自宅に作った小さなウッドデッキです。
基礎の部分の木材は、解体現場からいただいた柱材です。床材は節のある廉価なヒノキ材です。
デッキの周りを板で覆って基礎部分を隠さない構造にしました。基礎の部分をふさいでしまうより、風が通った方が腐食が遅れるだろうと判断したからです。
そして基礎材(大引き)の木口面(こぐちめん――木目方向と交差する切断面)を、アクリルの板を貼り付けてカバーしました。雨ざらしの木材は木口から朽ちていきます。同じ理由で、デッキの床板の木口面も、別の木材でカバーをしています。
ここで、防腐剤について。
近年は「環境にやさしい」という謳い文句で、きつい臭いのない水溶性のものが幅広く売られています。
素人の方にも、手軽で扱いやすいのですが、「環境にやさしい」ということは、木の腐食を促す菌や微生物にも優しいということです。強烈な匂いのするシンナー系の品物よりは、防腐剤としての能力は、劣っています。塗装面の様子を見ながらの、適切な時期での塗り直しが必要です。
早めに重ね塗りをすれば塗る作業だけで済みますが、表面ががさがさになって粉を吹き始めたりするまで放置してしまうと、劣化した表面をいちど全て研磨して落とさなければなりません。手間はずいぶん違います。
ちなみにこのウッドデッキは、うちの奥さんのリクエストで作ったものですので、上記の通り因果を含め、「管理や手入れは自分でしてくださいよ。」が、約束です。
2年後に彼女が自分でローラーを使って最初の塗りなおしをしました。平らな面ですから、素人でも簡単です。
冬の朝霜が思いのほか塗装面を痛めるので、夜の間シートを広げて覆うことを薦めています。